引越し前夜。長年親しんだ部屋で...。
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前夜
引越し前夜。長年親しんだ部屋で、酒を飲みながら少しセンチメンタルな気分を楽しんでいた。明日の朝は早い、そろそろ寝ようと思った瞬間、はたと気がついた。そういえば荷造りをしていない。大家への連絡や電気、ガスの手配でひと仕事した気分になっていたが、肝心な荷造りを忘れるなんて…。俺ってお茶目さん、とつぶやいて鼻歌交じりに荷造りをはじめた。そんなに荷物もないし、1〜2時間で終わるだろうと思っていたのだ。ところが4畳半一間のくせに、出てくるわ出てくるわ、くだらないアイテムが。特に押入れは魔窟さながらで、穴が空いて着られなくなった服や、読み終わった古雑誌がどっさり。とにかく不用品がゴロゴロしているのだ。これだから貧乏性は困る。最終的にはゴミ袋5つ分のガラクタが出てきたが、ゴミの収集日でもないのに捨てる度胸は、もちろんない。結局、ゴミも新居に持ち込むことに。
ゴミ問題にも参ったが、閉口したのはやっぱり荷物の量。近所のコンビニに頼んでダンボールを6箱ばかりゲットしたが、ぜんぜん足りません…。しかもダンボールを組み立てて、中に荷物を詰め込むのは結構手間が掛かる。そうこうしている内に、スズメがチュンチュン、カラスがカーカーと能天気に朝の訪れを知らせてくる。ヤバイ、時間がない。俺はコンビニに走って、大量のゴミ袋を購入した。ゴミ袋を2枚重ねにして、ひょいひょいとワレモノ以外の荷物を放り込む。これは早い、俺って天才かも。しかも意外と持ち運びやすい。でも見た目はゴミそのものなので、手荒に扱わないよう友人に釘を刺しておかなければ…。
すべての荷造りを終えたのは、引越し開始時刻の1時間前。俺は床に転がって、気絶するように眠った。
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